3/30(金)、銀座にある
ル・テアトルで舞台『セレブの資格』を見ました。
イギリス人劇作家、ノエル・カワードが1951年に発表した喜劇『セレブの資格(原題RelativeValues)』は伯爵家の結婚騒動の話で、今回若尾文子主演で上演したものです。若尾はいくつになっているか(70歳以上?)、年齢を感じさせない姿勢のよさ、気品、優雅さ、さすが大女優のオーラで伯爵の母という役を見た目では寸分の狂いもなく”表現”してみせてくれたました。でも、台詞がとちるというか、明らかに台詞を忘れて、辻褄を合わせて芝居をしているという場面が多々あり、ちょっと見ていても、芝居に集中できないところが(稽古中に怪我をしたそうですが、その日2回公演でお疲れだったのか)、とても残念でした。若尾がぼろぼろだったせいか、喜劇らしい台詞のキャッチボールで舞台が弾むというシーンが少なく、舞台がいまいち盛り上がっていませんでした。舞台を締めるはずの執事・クレストウェル役の綾田俊樹も台詞を噛んでいたり、歯切れが悪く、舞台の箍を更に緩めてしまっていました。
ただ、ノエル・カワードの戯曲はイギリスという身分社会を風刺しながら、人間の価値は身分や地位ではない、人間性であるという”視点”があって、日本人が見ていても共感できる作品ではありました。
若尾がもっと万全の体調のときに、共演陣を変えてもう一度見てみたいと思いました。